強すぎる米景気。ノーランディングで成長続く?米利下げ遠のく

2023年10-12月の米GDPは3.3%成長、異例の強さ
米商務省が25日に発表した、米国の2023年10-12月の実質GDP(国内総生産)成長率は、前期比年率3.3%で、事前の市場予想(2.0%増)を大幅に上回りました。個人消費が強く、「インフレと金利上昇によってそろそろ消費にブレーキがかかる」とみていた市場予想を裏切り、異例の強さとなりました。

米GDP成長率(四半期別、前期比年率):2018年第1四半期(1-3月)~2023年第4四半期(10-12月)

2023年通年の成長率は2.5%となり、前年(2022年:2.1%成長)より高くなりました。2023年の年初には、「利上げとインフレによって米景気は減速する、リセッション(景気後退)入りのリスクもある」と見られていましたが、結果は市場の想定とは逆となりました。2023年の米GDPは減速ではなく、逆に伸びが高まりました。

2024年の米景気はどうなる?

2023年の米景気は、ハードランディング(景気の急速な失速)への不安を打ち消して持ち直しました。それでは、2024年はどうなるでしょうか? 米景気を弱気に見るエコノミストは、「2024年こそ景気後退となる」と言っています。

2023年の米景気議論は決着しましたが、2024年については見方が割れています。引き続き、リセッション入りを主張するエコノミストもいて、「ソフトランディング(減速したあと持ち直す)」か、「ハードランディング」か、割れています。

ただし、とても強い米景気を見て、一部に「ノーランディング(減速することなく成長が続く)」説も出ています。どうなるか、慎重に見ていく必要があります。

2024年に米景気悪化なら1月から?

好調だった米景気が急激に悪化するのは、経験則としては1月からとなることが多いと言われます。12月まではクリスマス商戦の盛り上がりで見えにくかった景気の変調が、クリスマス商戦が終わって季節的に閑散期となる1-3月に明らかになることが多いからです。

1月の米景気落ち込みは、気候にも影響されます。あまりの厳冬になると、建設投資などが一時的に落ち込み、1-3月の景況を悪化させることもあります。米国は今年厳冬で、景気に悪影響が及ぶ懸念もあります。果たして、1月から米景気は悪化するのか、2月に出てくる1月の米景気指標に注目です。

ただし、1月の米景気について、一部の推定で「意外に強い」との見方もあります。まだ、きちんとした統計が出ていないので、予断を持てませんが、かつての経験則、「厳冬の1月から米景気が変調を来す」が成り立たない可能性もあることを、少し意識しておく必要があります。